救世主がやってくる。
新しいパソコンが到着したその日、狂喜乱舞した。わたしの使っていたパソコンの反応度合は、いっこく堂の時差のある腹話術みたいな遅れがあったので、そのイライラから解放されると考えるだけでわくわくした。 設定できるかは別として。。。
やってやるー!!
とばかりにパソコン設定を始めたときは真昼間。順調に進み、これはいけるんでないかいとうれしくなった。
しかし、それは箱から出して設置しただけの早すぎる自己満足であった。
問題はその後に発生した。ディスプレイ画面に何も映らないのである. HDMIを何度も何度も外しては差し込みなおすのだが、一向に反応がない。
これは、のび太のママに習おうとコードを引っぱたいてみる。
のび太のママはテレビが映らなくなるとバーーン!と叩くからだ。ダメに決まっていても奇跡を信じてみる。
しーーーん。
何も起こらない。画面が見れないので何もできない。説明書を隈なく読み返す。 ますますわからない。こんなことで電話するには申し訳ないので、HMDIをテレビに繋ぎテストする。おーー映っている。再度パソコンへ。
しーーーーん。
もう21時。9時間前に感じていたあの嬉しさは影も形もない。
大きく落ち込んでいるところに友人から電話が入る。 「ひとつだけどうしてもリーディングしてほしいのーー。」 意気消沈の私は、快諾して彼女を待つ。待っている間も画面はノーサインとだけ伝えて寝てしまわれる。 彼女は、到着するや否や、ニューパソコンの存在に気付く。
そうだ、この人はパソコンに詳しかった!
息せき切って今までの経緯を話す私。そうかそうかとパソコンに近寄り、なにやらコードをつなぎかえる彼女。
一度電源を切り、再起動してみると、 いままで寝に入るばかりだったディスプレイにアクティブの文字が現れたではないかっ!!
つながったのである。
彼女は突然やってきた救世主だった。
後は大丈夫であろう。ありがたいことに、私のわくわく感はさらに大きくなって再浮上した。
私は彼女が帰った後にパソコンを見つめながら思った。 人生はこんなことの繰り返しなのではないかと。 答えとは、自分で限界ぎりぎりまでもがき苦しみ考え抜いた後に、向こうからふとやってくるのではないだろうか。もう本当にダメってところまで自分で頑張ってみることが大事で、安易な道を選ぶとその貴重な答えは遠ざかる一方な気がする。 なにか問題が起こったときは、まずは自分で頭に汗をかくくらい、考えることが大切なのだ。
先ず、自分でしっかり考えることを怠らないことこそ、答えを得る道のりだと救世主の出現から改めて学ぶことができた夜であった。